令和4年度 研究記録・・・
令和4年度 ひばり組・3歳児 研究発表
テーマ『素材遊び』
〇はじめに
素材遊びを一年間のテーマとして取り組む。身近にある素材を用いて、「こうしてみよう」「やってみたい」といった気持ちを引き出し、自分たちで進んで遊びを生み出していけるような姿に成長出来るように『素材遊び』をテーマとする。
体を動かす事が好きなこどもが多く見られるため、指先だけで楽しむのではなく、全身で遊びを楽しめるような工夫をし、様々な素材を使って遊ぶ事で子どもならではの柔軟な発想を引き出せるようにしていきたいと思う。
また、季節感が味わえるような物も用意して、その時期にしか出来ない事など、様々な体験や経験を通して、新たな発見や興味に繋げていきたいと思う。
そして、素材遊びで感じた事、発見した事などを共有していく事で子どもたち同士の関わりのきっかけになれるよう、“友達と一緒に遊ぶ”という楽しさを知っていけるよう楽しみながら過ごしていきたいと思う。
○4月
*新聞遊び(新聞プール)
自由自在に形を変化させる事の出来る新聞遊びを楽しむ。初めは、新聞を破る・丸めるなどして、感触を楽しむ姿が見られる。新聞を渡されただけでは遊び方が分からず遠慮気味な様子も見られた。
細かくちぎってそれをひらひら落として遊んでいる子どもの姿が見られたので保育教諭が「シャワーみたいだね」と声を掛けると、周りの子どもたちも一気に興味を持ち、細かくちぎって遊び始めた。小さく破れていない新聞紙を見つけると「これまだおおきいな」と小さな手で上手に破り、たくさん集めていた。遊び方が分からずにいた子どもも目的を持って遊ぶ姿が見られた。ほとんどの子どもがシャワーをしようと新聞紙を細かくちぎって用意するが、友達と一緒に遊ぶという姿は少なく、個人で遊んでいる姿が多く見られた。
そこで、ウレタンブロックで囲いを作り、プールに見立てる事で、みんなでプール遊びを楽しむという姿に変わり、子ども同士の会話も自然と増えていった。子どもたちのテンションも上がり「きゃ~」と嬉しそうに全身で喜ぶ姿が見られた。プールにいっぱいになった新聞紙を両手いっぱいに集めて、上に投げてみたり、本当に泳いでいるかのように手足をバタバタと動かし、体全身でダイナミックに遊ぶ事が出来た。
○5月
*トイレットペーパー遊び(望遠鏡) トイレットペーパーの芯を使って望遠鏡を作って遊ぶ。初めにトイレットペーパーの芯を見せて何に変身するか子どもたちに聞いてみる。穴を覗くこどもの姿も多く見られ、望遠鏡作りを始める。 子どもたちは好きな色の画用紙を選択し、クレパスで自由にお絵描きを楽しむ。初めてクレパスを使ってのお絵描きだったが、小さいサイズの画用紙だった為、もっと書きたいという意欲が見られた。 後日、クレパスでのお絵描きを楽しむ日を設けた。
トイレットペーパーの芯に絵を巻き付け、形を完成させる。首から下げられるようにし、園庭を探検する。外へ出るとすぐに覗いてあたりを見て、普段は気付かないような小さい花や、空を見上げてじっと観察する姿が見られた。
また、「ぼうえんきょうをもっておさんぽにいきたい」との子どもたちからの声があり、散歩に持って行った。いつも散歩先では走り回って遊んでいるが、ゆっくりと観察したり探検したりする遊び方に変わっていた。望遠鏡を覗くといつもと同じ場所でも新しい発見や気付きがあり、それを友達や保育教諭に伝えようと関わりが自然と増えていた。
*ビニール、段ボールお絵描き
前回、クレパスでのお絵描きをもっとしたいという子どもたちの声があり、紙や段ボール・ビニール袋を用意して、それぞれの素材にお絵描きをして楽しむ。紙は小さめのサイズを用意したので、細かく色を付けて遊ぶ様子が見られた。とても集中しているようであった。
段ボールとビニール袋は大きい物を用意し、床一面に広げて全身でお絵描きを楽しめるようにする。
段ボールにはスラスラと絵を描ける感触を楽しんでおり、とてもダイナミックに遊ぶ。一方でビニールは少し滑る事もあり、しっかり手で押さえてゆっくり描き進めていた。手に力を入れて描かないとしっかりと写らないので、力を入れて描くように伝えるとしっかり色も出ていた。子どもたちは「とうめいだから、ゆかにかいてるみたい」と特別感を味わっているようであった。
また、一人の子どもが「うらからみたらどうなっているんだろう」という疑問を持ち、みんなで興味津々に絵を描いたビニール袋をひっくり返す。裏側からも同じように絵が見えた事に喜ぶ姿が見られた。
最後は、お絵描きした段ボールとビニール袋でオリジナルの家を作り、形作りも楽しむ事が出来た。使った事のない素材で遊ぶ事で『どうなるのだろう?』という探求心が芽生えてきた。
〇6月
*廃材遊び (砂遊びを通して)
廃材を使って子どもたちが園庭で自由に遊べるようにペットボトルやトレー・カップなど様々な大きさや形を用意して環境を整える。
お散歩に行った時に葉っぱやお花などを拾い、「これは(砂遊びに)つかえるかな?」「こっちのほうがキレイ!」などと会話も楽しみながらたくさん自然物を集めた。次の日、集めた自然物や廃材を使って砂遊びをした。初めは廃材に砂を出し入れする事を楽しむ。次第に、その廃材に合った遊び方に変わっていく。ペットボトルにはサラサラの砂を入れて飲み物に見立てたり、ごはんが入っていたトレーには固めの砂を入れ、食べ物を表現していた。また、それぞれの容器に砂を入れる時の音に注目する子どもの姿も見られた。容器の素材によって音が変わる事や、砂を落とす高さを変えると音が変わる事を発見し、そこから離れずに集中して楽しむ姿が見られた。
また、ペットボトルの小さい口にどのようにしたら砂をこぼさずに入れる事が出来るのかと考えていたこどもがいた。様々な廃材を探してきて、ペットボトルの口よりも小さい口を見付けて、スッポリはめ込んでそこに砂を入れるとこぼさずに砂を入れる事が出来るという発見をする。こうしたらどうなるだろうと試行錯誤を繰り返し、新しい発見に繋がっていく様子や、自分自身の廃材選びが好きな遊びに繋がる様子が見られた。
友達との関りも少し見られ、「ジュースつくる」「ケーキをつくろう」と作った物を見せ合い「できたよ~」「どうぞ・・・」とジュースをコップに注いだりなど、簡単なごっこ遊びを楽しむ姿が見られた。身近な出来事や大人の言葉を吸収して言葉数もますます増えてきている。また、廃材などをたくさん使いたくて、独り占めしてしまったり、「貸して」と言われてもなかなか貸してあげる事が出来ない子どもの姿が見られた。
〇7月
*泡遊び
たくさんのタライを用意し、粉石鹸とぬるま湯を入れて子どもたちと泡立てた。シャワーの勢いで泡立ち、子どもたちは驚いた様子で「うわー」「あわできてきた」と喜んでいた。泡の感触や匂い、泡をかき回すと泡が増えていくなど発見する事が出来た。
泡が出来ると廃材などの容器に泡をすくって遊び始める。それぞれ泡を触って「ふわふわ~」と感触を楽しんだり、泡を集めて見立て遊びを楽しんでいた。アイスクリーム・ジュースなどと出来た物を保育教諭や友達に見せ合い出来た喜びを感じていた。泡が少なくなると泡立器で泡立てたり、ネットやスポンジを使って泡立てる姿を真似ていた。遊んでいる内に、友達の作った物を「これちょうだい」「いいよ」とのやり取りから、次第にお店屋さんごっこの様に「○○ください」「どうぞ、○○えんです」といったやり取りに発展していた。
また、遊びの中でのトラブルも多く、友達が作った物に勝手に泡を注いでしまい「これ、つかってる」といった事や作った物を置いて、新しい容器を取りに行っている間に他児が使ってしまいトラブルになる姿が見られた。
相手の気持ちを考える事が難しかったり、上手く言葉で伝えられなかったりする姿も見られた。
〇 8月
*牛乳パック遊び 牛乳パックに安定感を出すため、一人1個の牛乳パックに新聞紙を詰めていく。大きい新聞紙をグシャグシャに丸めて押し込もうとするが、入らないと分かると、「どうすればはいるだろう?」と考えて、入る大きさにちぎって入れていく。ちぎる大きさも様々で、紙吹雪をするぐらい小さくちぎって時間をかけて入れていく子や牛乳パックの形に合わせて細長く丸めて入れる子など様々な姿が見られた。 たくさんの牛乳パックを用意し「たかくつみあげてみたい!」と、それぞれ積み重ねて遊び始めた。牛乳パックを縦にして積み重ねようとする子が多かったが、不安定ですぐに倒れてしまった。次は横向きにして積み重ねていくと、どんどん高くなっていき、倒れないように慎重に乗せて、子どもたちの身長ぐらいまで積み上げる事が出来た。初めは一人ひとりが個々に作っていたが、友達が作っている物が気になり「なにをつくってるの?」「いっしょにやろう」と、友達と一緒に協力し始め、大きな物(お家・橋・乗り物など)が出来上がり、喜んでいた。 2回目行った時は、テープを使い牛乳パックを繋ぎ合わせて作った。テープを使う事に夢中になり、1回目のように友達と協力して一つの物を作る姿はあまり見られず、一人ひとり作っていた。繋ぎ合わせる事で、作った物を動かして遊ぶ事が出来、電車と駅を作って駅まで走らせて遊ぶ姿が見られた。
〇9月
*布、段ボール(絵の具遊びを通して)
テラスで絵の具遊びを行う。1回目は布・段ボールに指や手を使って自由に絵の具を伸ばし始め、感触を味わいながら遊び始めた。恐る恐る触れる子・積極的に触れて笑顔が溢れる子など、それぞれの姿が見られた。遊びが進んでいく中で絵の具が追加されると、色の変化に興味を持ち、色が混ざっていく面白さを楽しみながら遊ぶ様子が見られた。
途中からは、指や手だけでなく足でも絵の具を伸ばしてダイナミックに遊ぶ。
布に絵を描こうとするが少し描くとすぐにかすれてしまい「すぐえのぐなくなる」と何度も絵の具を付けたり、しっかりと手に絵の具を付けようとする姿が見られた。絵も描き辛そうであったが、線や丸を書いていた。
段ボールに手形をするとしっかりと写り、様々な場所にペタペタとスタンプしていた。色々な色が混ざり合う様子も良くわかり、色を混ぜて楽しむ姿が見られた。足でも絵の具を伸ばそうとするが、ツルツルと滑ってしまい「なんですべるんやろう」「ダンボールはツルツルやからかな?」と不思議そうにする姿が見られた。
〇10月
*ビニール袋(パラシュート作り)
ビニール袋にクレヨンで絵を描き、オリジナルのパラシュート作りを行う。
絵を描く際にビニール袋が滑ってしまい、「むずかしい」という子どももいたが、描き進めていく内にコツを掴み、思い思いの絵を描いてお絵描きを楽しむ姿が見られた。紙などと違って、袋が透明だったので特別感を味わいながらお絵描きを楽しんだ。絵が完成すると、タコ糸と牛乳パックの重りを付けて、パラシュートが完成する。
完成した物を持って園庭で飛ばして遊ぶ。初めは袋を持って上に高く上げていたが、なかなか飛ばなかった。試行錯誤する中で「うえのほうをもってなげたらとぶよ」「ちいさくまるめてもったらいいよ」など、どうしたら高く跳ぶのか自分たちで探りながら遊ぶ姿が見られた。
自分で作った物でその後十分に遊べるようにすると、作っている最中も見通しを持って取り組む事が出来た。また、体を動かす事が好きなこどもたちが多く、このクラスのこどもたちに合った素材遊びになった様に感じる
〇11月
*自然物製作(落ち葉で見立て遊び・モビール作り)
散歩で拾ってきた自然物を使って自然物遊びをする。使用する際は「おさんぽでひろってきたやつだね」と、以前の活動からの繋がりがあり良かった。落ち葉では画用紙にボンドで貼り合わせて、シールの目を付けて完成させる。葉っぱの形を見てから、「このかたちはみみにみえるからここにはろう」と決めてから作り上げていくこどもと、「ここをかおにしたらキツネにみえるよ」と、葉っぱを貼り合わせ出来上がった形から連想して見立てる子どもと、見立て方はそれぞれであった。以前までは素材を使ってダイナミックに遊んでいたが、座って落ち着いた気持ちで表現する楽しさを味わう事が出来た。
モビール作りでは、枝・松ぼっくり・どんぐり・革を使用した。革にはどんぐりなどを貼り付けて飾り付けを楽しむ。麻ひもに結ぶ作業は難しかったので、保育教諭の援助で完成させる。「どこまつぼっくりをつけようかな?」「ここにボンドつけたらくっつくかな?」と、自然物の選択や付け方を工夫したり、自分でデザインした季節感のあるモビールが完成した。完成した物をお部屋に飾る事で、クラスみんなが作品を見る事が出来、「これはなにをつくったの?」「なんのどうぶつ?」と、友達同士完成した物について興味を持ち、会話を楽しむ姿が見られた。完成した物を飾る事で新しい発見に繋がったり、それにまつわって、友達と話の輪を広げる良い機会だと感じる。
〇12月
*牛乳パック遊び(細長く切った物を使用)
8月の牛乳パック遊びでは、そのままの形で使用したが、今回は細長く切った物を使用する。輪切りにして見ると、ひし形の形になっている事に気付き、「まるくならべたら おはなみたいになる」と夢中で大きなお花の完成を目指して、数名で並べていき、どんどん大きくなっていく様子を友達と一緒に楽しむ姿が見られた。
横に長く積み重ねると、「おしろのかべが できてきた」と、それを見たこどもが一緒に大きな壁を作り上げていく。「ここにのせたら くずれないかな?」とバランスを見て次乗せる場所を考えたりと協力しながらお城作りを楽しんでいた。
一方で、上に高く積み上げていった子どもたちもおり、難易度も高く何度も倒れて失敗してしまったが、集中した様子で取り組んでいた。高く積み上げる遊びは、自分のペースで個々で遊ぶこどもに多く見られた。また、何個積み上げる事が出来たか、数を数える事で、自然と数字に触れる事が出来た。
細長く切った事で形が自由自在に動くので、様々な形に変化し、前回の牛乳パック遊びと全く違う遊び方を楽しむ事が出来た。他にもメガネを作ったり、長く繋げてヘビ・線路に見立てて遊んだりと、様々な見立て遊びに繋がり、こどもたちの柔軟な想像力や遊びに対しての意欲を引き出す事が出来た。
〇1月
*段ボール遊び
子どもたちと段ボールを使ってどうやって遊ぶかを考え取り組んだ。「おうちをつくりたい」という子が多く、その声を聞いて、「トンネルをとおってはいれるおうちにしたい」「みちもはしれるようにしたい」などと想像を膨らませていた。
みんなで協力して大きな家を作るよう伝えて作り始める。実際に作り始めると「どうやってつくる?」と苦戦していたので、保育教諭が援助しテープを貼り合わせて「大きな壁を作ってはどうか」と提案すると子どもたちも「やってみる」とテープで貼り合わせていた。テープを貼る時、段ボールを抑えておく人とテープで貼っていく人など、子どもたち同士で自然と役割が出来て、協力して作っていく姿も見られた。作り進めていくと「まどは?」「ドアもつくろう」と次々にアイデアが生まれ、保育教諭と一緒に形にしていく。作りたいという気持ちを形にする事が出来て、子どもたちも満足そうな様子が見られた。
牛乳パックも使用し、家の中に取り付け電気にしたり、囲いを作って温泉を作るなど、それぞれの思いが一つになった家が完成した。
イメージする事が難しい子もいて、その子たちは段ボールの中に入って楽しむ姿が見られた。
〇2月
*新聞紙遊び
新聞紙で道を作って遊んだ。新聞紙を渡すとついつい破ったり、グシャグシャに丸めてしまいたくなる子どもたちですが、今回は大きい新聞紙のままたくさんの紐に掛けていった。指先を使って重なった新聞紙を一枚一枚に剥がして掛けていく。隙間なく掛けていくために友達と「ここあいてるからかけて~」などと声を掛け合って協力する姿が見られ、あっという間にたくさんの新聞紙を掛ける事が出来た。出来上がった道を見て、「たいへんやったけどできた」とこどもたちも達成感を感じていたようであった。
出来上がった道を歩いてみると、どこを通ろうかと悩み、友達と相談して道順を決めながら歩き進んでいた。道を歩き、曲がるとすぐに友達がいて驚いたり、一緒に遊んでいた友達とはぐれてしまい探し回る姿、新聞紙の間から顔を出して覗いてみたりと様々な楽しみ方で遊んだ。
友達と関わって遊ぶ姿がよく見られ、自分の思いだけでなく友達の思いや考えも聞きながら楽しんでいた。
〇3月
*様々な素材を使って遊ぶ(主に牛乳パック使用)
牛乳パックを繋ぎ合わせて滑り台を作った。牛乳パックを切り開いた物を繋ぎ合わせて滑る所を作っていき、友達と協力しながら繋ぎ合わせていく。初めは個々に作っていた子も「いっしょにつなげよう!」と友達に声を掛けて長い物を作る。端を折って転がり落ちないよう壁を作って工夫する姿も見られ、その姿を真似て作る子もいた。滑る所が出来上がると、次はどのようにすれば転がるのかを考え、「さかみちにする」という声はあったが、どのようにして坂道を作るかは難しい様子であったため、保育教諭と一緒に考えて作り進めていく。滑る所に土台を入れて、坂道を作ってみると上手く転がり、同じように真似て、こどもたちだけで作っていた。
長い滑り台を完成させて、牛乳パックやボール・トイレットペーパーの芯などを転がした。色々な物を転がしてみるとボールがよく転がり、ボールを選んで転がして遊ぶ。
滑り台を作る過程で積極的に作ろうとしたり、一緒にどうすれば良いのか考える子と少し作って完成した物で遊ぶ事を楽しむ子の姿と個々によって差が見られた。
〇まとめ
1年間『素材遊び』をテーマにし、身近な素材を使って体を動かして楽しめるような遊びを取り入れた。
前期は素材の感触を楽しみながら、それぞれ自由楽しめるように遊びを進めた。初めは、集中力が続かず、すぐに遊びに飽きてしまい目的と違った遊び方になる事もあった。
また、作りたいものを形にする過程のイメージが持てずに「せんせい〇〇つくって」と作ってもらおうとする姿が多かったが、夏頃より「ここをこうしたいからてつだって」と、子どもたちの様子に変化が見られた。イメージを膨らませたり、イメージした物を形にする事に対して、難しそうにする子もおり個人差が大きように感じた。
次第に集中力も身に付いて遊び込めるようになり、個々の遊びから友達とイメージを共有出来るようになった冬頃より、皆で楽しめるような遊びを多く取り入れた。友達との関わりも深まり、一緒にやってみようと遊び始め、相談しながらそれぞれの思いや考えを伝え合い、試行錯誤して作ろうとするようになった。これは普段の遊びにも見られるようになった。
同じ素材でも様々な使い方が出来る事を知り、保育教諭が提案した遊びだけでなく、子どもたちの発想や「〇〇やってみたい」という声を聞き、取り入れながら進める事で、より子どもたちの意欲が湧き、積極的に取り組み楽しむ姿が見られた。
この一年を通して、身近な素材を取り入れて遊ぶ事で、子どもたちの発想力や創造力が培われ、友達との関わりも深まり、コミュニケーション力の成長にも繋がった。
また、保育教諭も子どもたちと一緒に関わり、イメージを共有する事で、子どもたちがどのような事に興味・関心を持っているのかを理解する事が大切であると感じた。そして、子どもの興味・関心を追求出来るようにする事や遊びから学んだ事を汲み取り、さらに次の活動へ繋がる言葉掛けを意識する事も重要であると感じた。今後も様々な遊びから刺激を受け、イメージを膨らませて自分たちで遊びを展開して楽しんもらえたら良いなと思う。