令和4年度 研究記録・・・

令和4年度 つばめ組・2歳児 研究発表

テーマ『砂遊び』

〇はじめに

去年度の子どもたちは砂遊びが好きで、保育教諭や年上のお友達を見ながら型抜きや泥団子作りに意欲的に挑戦していた。そんな身近にある砂遊びを年間テーマにし、砂という一つの素材から、どのような変化が見られるのか、成長・発達していく姿を遊びの中から研究していきたいと思った。
一年間を前期、中期、後期に分けて子どもの成長・変化を観察し、まとめた。

前期(4月~7月): 廃材遊び(自由・型抜き)、水たまりで砂遊び、泥んこ遊び
中期(8月~11月): 砂粘土、色砂遊び、川作り、裸足で砂遊び、自然物使用
後期(12月~3月): 山・トンネル作り、ごっこ遊び(ケーキ・クッキー作り)、サラ砂作り、二色の浜で砂遊び

〇取り組んだ活動と子どもの様子

≪前期≫

○4月 『廃材遊び(自由)』

廃材に興味を持てるように、プリンやアイスカップ、ペットボトル、牛乳パックなど様々な素材や形・大きさの物を用意し提供する。
子どもたちは見た事のある容器に親しみを持ちながら、スコップで砂を入れ遊び始める。それらを組み合わせてお弁当のように見立てたり、容器の形をイメージして、「アイスつくったよ」「カレーつくったよ」と、おままごとに発展したり、カップに砂を入れ、葉っぱや枝などで飾りつけをするなど、遊び方は様々であった。
廃材遊びを繰り返す内に廃材の使い方も段々と変わっていき、ペットボトル一つでも、ただ砂を入れるだけでなく大きさの違うペットボトルに砂を入れて移し替える事で、砂が落ちていくことを発見し、繰り返し遊んでいた。
子どもたちは廃材を使って遊ぶ事でイメージを膨らませながら、一人ひとり様々な遊びに繋げられていたように思う。まだ周りとの関りは少なく、気に入った廃材を選んで一人で遊ぶといった姿が多く見られたので、お友達とも共有できる遊びに繋げていこうと思う。

○5月 『廃材遊び(型抜き)』

保育教諭が廃材で型抜きをしてみると、子どもたちも「やってみるー」と、自分でチャレンジし始める。一人が始めると、周りの子も「みてみてできたよ」と、いつもと違った型抜きが出来る事に興味津々で取り組んでいた。長いカップでは、型抜きをしても崩れてしまい、保育教諭に「やって」と手伝いを求めていた。白い砂と茶色い砂を見分けて茶色い砂(湿った砂)をカップに入れながら固めてみるよう促すと何度も挑戦していた。友達がどの様に綺麗に型を抜いているのか見よう見まねで、湿った砂を入れ手で押し固め、また砂を入れ…と、同じようにやってみようとしていた。砂を盛った上にカップで押さえようとしたところカップの型が出来、保育教諭や友達に見せるなど、少しずつ周りとの関りが出来ていく。また、大きな味噌のカップでは友達と一緒に砂を入れたり、固めたりと遊びを共有しながら上手くできるか期待を弾ませ会話も楽しむ姿が見られるようになった。

〇6月 『水たまりで砂遊び』

雨上がりの園庭には大きな水たまりやノウゼンカズラの花がたくさん散っており、普段園庭へ出て遊ぶ時とは違った環境に興味を示していた。大きな水たまりを覗くと、水面に反射して自分の顔や友達の顔がうつる事に気が付き、水面が風で揺れると顔が歪む事が不思議な様子で何度も覗き込む姿が見られた。
最初は水溜りの無い場所で、湿った土を触ってみた。「つめたい」「ぬれている」等それぞれが感じた事を言葉で表現していた。
次に大きな水溜りの側まで行き触れてみた。手の平全体でそっと水面に触れたり、手を思い切り水の中へ浸けてみたり、バシャバシャと水しぶきをあげたりと楽しみ方は様々であった。
廃材を用意すると好きな容器を手に取り、そこに水たまりの水をすくって入れていた。泥水だった事もあり、「ちゃいろいな~」「ココアみたい」と感じた事を伝え合い、そこから「どうぞ」「ゴクゴク」とごっこ遊びへと発展する姿も見られた。
泥水だけを容器へ入れたり、土と水を一緒に容器へと入れたり、土だけを入れて型抜きをするなど様々な遊び方が見られた。一人の子どもが型抜きした所に落ちていたノウゼンカズラの花や実を飾り付け≪ケーキ≫に見立てると、それを見て型抜きでできた砂を何個も並べ飾り付けを始め、たくさんの≪ケーキ≫が出来上がった。
また、水面に空き容器を浮かせ船のようにすると、風でゆらゆらと遠のいていく事に気が付き、同じように浮かせて向こう側にいる他児が受け取る、等と関わり合って遊ぶ姿が見られたが、水たまりの泡を見つけて指先でそっと触れ、パチンと割れる感触を味わうなど、他児と関わるよりも自分のやりたいように集中して楽しむ姿の方が多く見くられた。
水溜り一つでも、色々な遊び方へと発展していく様子を伺うことが出来た。

〇7月 『泥んこ遊び』

泥んこ遊びでは、ホースで水を飛ばすと「きゃー」と声を出して水から逃げる子どもがほとんどで、水に触れるよりも水から逃げて楽しむ姿が見られた。
「きょうはぬれてもいいよ」と声を掛け実際に保育教諭も地面に出来た水溜りの中に入ってみると、それを見て同じようにそっと水溜りの中へと入り、足で泥の感触を味わっていた。徐々に足踏みすると泥が跳ねることを知り、楽しかったようで歓声をあげて遊ぶようになってきた。
中には大きな水溜りに座ったり、寝転んだり、足や手だけでなく全身で泥の感触を楽しんでいるようだった。
泥に触れると「きもちいい」「つめたいね」と感じた事を言葉にして保育教諭や他児に伝え、共感しあっていた。泥をすくって足や腕に付けると、その感触が気持ちいいと感じたこどもは何度も繰り返していたが、中には気持ち悪いと感じたのか嫌がる子どももいた。
最初抵抗のあった子どもも時間が経つにつれて少しずつ慣れ、最後には水溜りの中に座れるようになった。保育教諭や他児が誘って一緒に泥に触れるよりも、一人でそっと水溜りに入って楽しみたい様子の子どもも数人いた。

≪中期≫

〇8月 『砂粘土』

砂と小麦粉、油を混ぜて砂粘土を作った。砂はサラ砂と小石の入った砂の2種類を用意する。
見た目は園庭にある砂と同じようで、子どもたちも「これがねんどなのか」と不思議そうにする姿が見られた。触れてみると、砂とは少し違った感触に興味を示し、そのまま手の平で握って遊び始める。握ると固まる事に気付くと、そこからみんながお団子を作るかのように両手で握り出す。普段泥団子を作ろうとしても上手くいかない事が多いが、この砂粘土ならすぐに固まるので簡単にお団子になり、子どもたちも嬉しそうにしていた。
お団子だけでなく型ぬきをしたり、作ったお団子を容器に入れてお弁当を作る子どももいた。感触が気持ちいいのか長い時間砂粘土に触れて楽しめていた。
サラ砂で作った粘土はふわふわと柔らかく、小石の入った粘土はざらざらとしており、子どもたちも自然と自分の好きな感触の粘土でよく遊んでいた。子どもたちから感触の違い等、言葉では聞かれなかったものの、好みの感触があるという事が選ぶという行動で示されていた。

〇9月 『川作り』

始めに、川や山、トンネル等が出てくる絵本を皆で見て、そこからイメージしながら川作りの活動に入れるようにした。
皆で大きな川を作ろうと話していた事もあり、子どもたちも意欲的に活動に参加していた。スコップを人数分用意しておき、地面を掘っていく。それぞれ好きな場所に川となる細い道を掘るこどもや、保育教諭が掘っている道を一緒になって掘るこども等様々であった。また、それぞれ掘っていくうちにぶつかってしまう事もあり、分かれ道のようになる事で「かわがつながった!」と喜び合う姿も見られた。
ある程度掘ってから、水を流していく。最初は水を流すホースの先に子どもたちは集まり、水を必死にスコップですくおうとしていたが、「かわがながれてくるよ」と声を掛けると、ホースの先から離れて、掘った道に水が流れてくるのを楽しみに待つようになった。また、分かれ道でうまく水が二手に分かれると嬉しそうにする姿が見られた。
川の掘り方も繰り返すうちに上手くなり、両手を使ってスコップを平らにして太い道を掘れるようにもなっていた。
子どもたちから「やまもつくる」という声が聞かれ、そこから山を作り、トンネル作りにも挑戦した。トンネルを掘るには山を固くしないといけないが、難しくすぐにトンネルが崩れてしまう。しかし、「もういっかいする」といって何度もチャレンジする姿が見られた。
砂に絵の具を混ぜて乾かし、色砂遊びを行った。初めて見る色々な色砂に興味津々で手で触ってみたり、スプーンで混ぜてみたりと早速遊び始めていた。サラサラした砂の中に、固まりのある砂がある事に気付くと保育教諭や友達に教え、感触を共有していた。指でつぶす感触が面白く、次々に塊を潰していく姿が見られた。
お皿や透明コップを準備していた事もあり、自由にお皿にすくい入れ、色を混ぜ合わせて色が変わるのを楽しんだり、コップに色の層を作ってきれいに仕上げる子どももいた。最初は一人で夢中で遊んでいたが、次第に友達の姿を見て同じように遊んでみたり、ジュース屋さんになり「どうぞ、りんごジュースです」など関りも見られるようになり、やり取りをする姿も見られた。ジュースは色砂をコップに入れ、上に塊をトッピングしたり工夫しながら、遊んでいた。
楽しかったようで飽きるこどももおらず、時間いっぱいまで遊びこんでいた。終わってからは「きょうおすなしたな~」「たのしかったね~」と保育教諭や友達と話しながら余韻にひったっていた。

〇10月 『裸足で園庭遊び』

砂場では、砂の中に足を少しずつ埋める事を楽しみ、その姿を見て他児も真似て、手やスコップですくった砂を足にかけ「つめたいね」と、砂の中の温度を感じて、ひんやりとした心地よさを一緒に感じていた。
たくさんの砂を集めお山のように大きくなると、そこに足や手をズボっと入れ、砂の中に体が入る感触や、山が崩れていく様子を楽しみ「もういっかいしよう」と何度も楽しんでいた。裸足で砂場で遊んでいても控えめに遊ぶこどもが多くいたが、そんな中でも次第に寝転がって全身でダイナミックに遊ぶ子どももいた。
この頃は遊び方が個々になっていて山を作る時も、保育教諭が仲立ちしないと協力して作るという姿は見られなかった。
お散歩に行ったときに拾っていた自然物を使って砂遊びをする。
(どんぐりが園庭に落ちて小さいクラスの誤飲にならないようにプールの中で遊ぶ)
子どもたちの遊び方は様々で、どんぐりだけをお皿に盛って「ごはんですよ」と保育教諭に持っていったり、砂と葉っぱを混ぜて料理をする子どもがいたり、作った物に色とりどりの葉っぱやどんぐり、木の実をトッピングして楽しむ子どもなど、自由な発想で遊んでいた。初めはプールの中でお皿やカップに砂や自然物を入れて遊ぶこどもが多かったが、回数を重ねて遊ぶうちに、プールから出て地面に型抜きをしてその上にどんぐり以外の自然物を飾りつけ、美味しそうなケーキをいくつも並べて作る姿が見られるなど、遊び方が変わってくる子どももいた。見立て遊びの中では「これはチョコレートケーキでーす」と紹介をしたり、「たべていい?」というやり取りも聞かれごっこ遊びに繋がっていた。
自然物で遊ぶ最後の日には、皆で大きなケーキを作る。周りには苺に見立てたどんぐりを飾り付けたり、ろうそくに見立てた枝をてっぺんに乗せたりと、それぞれイメージを持って遊ぶ姿が見られた。

≪後期≫

〇12月 『山、トンネル作り』

山トンネル作りでは皆で一つの山を作れるようにと子どもたちと話をし、砂場に集まったが、それぞれがお山を作り始めていた。「おおきいほうがトンネルつくりやすいよ」と声を掛け、一か所に砂を集められるように促す。
そのうちに、「このくらいおおきくしよう」と高さの目標を決め、どんどん砂を集めてきた。スコップや手でペタペタ固め、「こっちかたくなってきたよ」「ここにトンネルつくるね」など一つのお山作りで、子どもたち同士の会話が生まれ、協力する姿が見られた。トンネルの掘り方もスコップの向きを下向きに替え工夫しながら、トンネル同士が繋がると「やったー」と皆で喜び合う姿が見られた。夕方に大きいクラスと一緒に砂遊びをしている子が中心となってやり始め、その姿を見て同じように真似ていた。中には皆と一緒にする事が難しく、山よりも個々で型抜きやままごとをして楽しむ子もいた。
泥団子作りでは作る度に上達し、丸い形が作れるようになった。潰れないよう丸めたり、サラ砂かけて作ることに集中している。上手に作れると嬉しそうに「これおいとく」と大事にしていた。

〇1月 『ごっこ遊び(ケーキ、クッキー作り)』

泥砂を型抜きに入れ、数日乾かし、型から外し、カチカチに固まった塊が出来ることを知らせる。作り方を伝えながら一緒に色んな型抜きに泥を入れたり、手で平たく形にしたものをトレーに入れる。新聞紙の上に平たく泥砂を伸ばしていると、その上から型抜きをやりはじめる子どもがおり、クッキー作りのような手順で出来ることが発見できた。普段お団子を作って置いているので、そのお団子もカチカチになっていた。乾いた塊を見ると触れたくなり、すぐに摘まんで潰そうとする姿が多かったが、「このかたまりをたくさんつくって、クッキーやケーキにしておかし屋さんにする?」と尋ねると「やりたい」と言って、潰さず大事に置いておく姿が見られた。
おかし屋さんは悪天候の都合により今月は出来なかったので来月に取り入れることになった。
二色浜へ初めてお散歩に行った。今回は海の方が嬉しく、砂に触れて遊ぶ子は少なかったが、数名で山を作り、貝殻を飾って遊ぶ姿が見られた。サラサラの砂であることや、スコップを使わずに手で作った山であった為、あまり大きい山にはならなかった。次回はスコップ等玩具を持参して浜辺の砂で遊べるようにしたい。
 2月にさら砂作りを計画しているが、今月は子どもたちから、さら砂作りをするようになる。上のクラスの遊びを真似するうちにお皿を回し、遠心力で小石を飛ばし、サラ砂を作っていた。さら砂を器に集め、指を入れて 「さらさら」「きもちいい」と感触を楽しんでいた。さら砂作りをしている間は無心になって集中し作り続ける。

〇2月 『サラ砂作り・(クッキー作りお店屋さんごっこ)』

乾燥させて作ったクッキー、ケーキのお店屋さんを1月に出来なかったので、今月お店屋さんのごっこ遊びをした。固まった形を見て、「これはクッキー」「これはケーキ」と見立てながら、持っている容器に並べていた。店員さん役とお客さん役を分けようかと考えたが、みんなが店員さんになって遊びをしたい様子だったので保育教諭が「これください」とお客さんになってごっこ遊びが始まった。遊んでいく内に葉っぱをお金に見立てクッキーと葉っぱを交換してやり取りを楽しむようになっていた。2回目は丁度バレンタインだったのでお友達にプレゼントをするバレンタインごっこを楽しんだ。型抜きした砂の上に塊の砂をトッピングしたり、落ち葉や園庭内の植物を使って飾りにし、前回よりもさらにイメージが広がり表現出来るようになっていた。
さら砂作りでは円を描くようにお皿を動かし、遠心力で砂利を飛ばす方法が楽しいのか夢中になって挑戦していた。いろんな容器で挑戦する姿が見られるが深めの容器だと砂利が飛んでいかないことに気付き、「さらすなにならない」と言っていた。やりやすい容器を自分で選び、さら砂を作り、泥団子に掛けたり、ままごとのお料理で使うなど楽しんでいた。

〇3月 『二色の浜で砂遊び』

 今回の二色浜ではスコップや廃材、お皿などを持参し、砂浜で砂遊びをした。海水をすくって砂に掛ける遊びを楽しんだり、海水の入った容器に砂を入れるなど、海水に触れる事が嬉しいようであった。山づくりでは貝殻を貼りつけたり、型抜きをしている姿が見られた。園庭の砂とは違い、さらさらで固まりにくい事や、波付近の湿った砂は固まりやすいとわかると場所を変えて遊んでいた。3回目の二色浜も前回と同様砂場玩具を持参し遊んだのだが、さら砂を作りたいとやり始め「このすな、ぜんぶさらさらだ」と園の砂との質の違いに改めて気付いている子がいた。波付近の湿った砂でお団子を作る姿が見られた。一人が作り出すと真似て作り出す姿が見られた。またスコップで線を描き、山から波のところまで道を作る子もいた。これは川づくりをした時の事を思い出して作ったのかもしれない。今までにした遊びが出てくる事に嬉しさを感じた。

~年間を通しての泥団子作り~

《 4月5月 》

手の平に砂を乗せて固めようとするが砂が固まらずなかなかお団子にならないと苦戦していた。作りたいという意欲と、形にならないもどかしさが交じり合った複雑な様子であった。型抜き同様、砂の違いを知らせ、どの砂なら固められるか一緒に見つけられるようにしていく。

《 6月7月 》

水たまりで型抜き等を楽しんだ際には、湿った砂の感触から泥団子が作りやすそうだと思ったのか自然と泥団子作りを始める子どもがいた。個々によってペースは違うが手の平に泥をのせ、保育教諭が泥団子を作っている手の形を見ながら、見様見真似で握ってみようとする姿が見られた。しかし、上手く丸い形にはならず、すぐに諦めてしまう。
丸くならなくても平べったい塊になり、それを大切そうに手に持つ。一人ひとつペットボトルのお団子入れを用意し、そこに団子を入れて保管できるようにした。お団子入れに入れる時に崩れてしまう姿も見られた。 自由遊びの際には、まだ自分で作れないこどもも、保育教諭が作った泥団子に白い砂を掛けて楽しんでいた。

《 8月9月 》

泥を見つけると自然とお団子作りを始める姿が見られるようになる。手の平に泥をのせて握っていくが、水の量が多くて崩れやすくなっており、上手く丸まらない姿が多く見られたが、以前まではすぐに諦めていた子どもも、根気よく握って丸めようとしていた。

《 10月11月 》

この頃になると泥団子作りが好きな子どもは、上達が見られ、すぐに形にして砂をかけて固めていた。また、上手く作れない友達には丸め方や、どの砂で作ると作りやすいのかを教える姿も見られるようになり、誰かと一緒に作るという姿も見られるようになる。

《 12月 1月 》

泥団子作りでは作る度に上達し、丸い形が作れるようになった。潰れないよう丸めたり、サラ砂かけて作ることに集中している。上手に作れると嬉しそうに「これおいとく」と大事にしている。夕方の園庭の時間にこどもたちから「だんごやりたい」という事が増えた。
今まで泥団子に興味が薄かった子どもたちも泥団子に挑戦しようとする姿が見られるようになった。興味がない子も数名いるが作ったお団子には興味を持って触れようとする。

《 2月 3月 》

泥団子を作る際、砂利が少ない砂を集め、固めやすい砂で作ると形になりやすい事を発見していた。その姿を見て、真似して作ろうとする子も出てきた。失敗を繰り返してきたからこそ子どもたちなりに考えることが出来たのだと思う。
今まで泥団子に興味が薄く自ら参加しようとしない子も数名いた。誘うと一度挑戦はするがすぐに別の遊びを好む子もいる。最後に来てやっと他児の姿を見て「やってみようかな」とチャレンジする姿が見られた。この2か月間はこどもたちから「どろだんごしたいからおみずだして」と声を掛けに来る回数がぐんと増えていた。
意欲があっても手先の器用さは個々それぞれであり、根気よく作り続けても形にならなかったり、途中で崩れてしまう姿が見られた。
夕方の園庭の時間は特に上のクラスのこどもたちが泥団子をピカピカに作っている姿を見ていたので影響を受けていた部分があったように思う。
形になると達成感を感じられる為、「できたよ」と誰かに見せたくなる気持ちが芽生えていた。園庭でのさら砂作りに慣れてきたこともあり、片手で泥団子を持ち、もう片手でくるくるお皿を回してさら砂を作るとその砂を泥団子に掛けており、慣れた手つきに驚いた。

〇泥団子・廃材遊び まとめ

全員が泥団子を作れるようになったわけではなく、泥団子を一人で上手に作れる子が半分、傍に付いて形に出来る子が4、5名、残り数名は興味が薄かった。
作りやすい砂は砂利が少ないものだと知り、砂利の少ない所から砂を集めたり、サラ砂を作れるようになってからはサラ砂を作りながら団子にかけるなど自分たちで考えて遊べるようになった。

廃材遊びは子どもたちが大好きになり、色んな形の廃材があることで、プリンカップなら、プリンに見立てたり、ヨーグルトの入れ物だとヨーグルトを作ったり、廃材の見た目で作るものが決まるといった感じだった。日々色々な廃材を提供することで、子どもたちも「はいざいだして~」と言って“どの廃材で何を作ろう”とイメージを膨らませながら楽しむ姿が見られた。初めの頃は個々で廃材遊びをしたり、一つの廃材で遊んでいた子どもも次第に違う素材の廃材を組み合わせて遊ぶ姿が見られるようになったり、繰り返すうちに他児とのやり取りに発展し、お店屋さんごっこなどをして遊ぶ姿も見られるようになっていた。

〇まとめ

 一年間砂遊びを研究し、色んな砂遊び、泥団子作り、廃材遊びを年間通して遊んできた。
身近にある砂遊びで、砂自体を形状や感触、色を変化させたり、砂遊びの玩具だけでなく、廃材を用いて遊ぶ事で普段とは違う様々な遊びを経験できた。
砂を形にして乾燥させて塊で遊んでからは、雨上がりの乾いた砂で誰も踏んでいない所に乾いた砂の塊がある事に気付き、集めている子がいた。今まで気付いていなかった事にも一度目にして触れた事により、気付く事が出来たのではないかと思う。その塊は潰さずに大事に持っていた。
 砂粘土ではすぐ丸めやすい為、普段泥団子に興味が薄い子や、形にする事が難しい子も、軽く握るだけで形に出来る事が嬉しくて、お団子を作る姿が見られ、また色砂ではどんどんとイメージがわいてきて見立て遊びやごっこ遊びに繋げていく姿から、集中して楽しむ姿が見られた。
初めての遊びにも興味を持って参加する子もいれば、こちらが提案、提供した遊びに気が向かなかったり、興味が薄い子もいた。それぞれ砂遊びの中でも好みがあり、お料理が好きな子、サラ砂作りが好きな子、泥団子作りが好きな子など、好きな遊びを繰り返してじっくり楽しむ姿が見られた。後半になるにつれて友達同士や集団で同じ遊びを楽しめるようになった部分もあり成長を感じた。
色々な砂遊びをする中で、想像力や集中力が養われたように感じる。遊びの中から自分たちで展開して遊ぶなど“砂遊び”一つであるが子どもたちにとって豊かな遊びになる事や、そこから得られる経験に繋がる事が分かった。
身近にある“砂”はこれからもいろんな遊びに展開できる為、子どもたちの豊かな発想で遊びを広げられるよう環境作りを大切にしていきたい。